拡散中のアドビPDFゼロデイエクスプロイトを発見

アドビがCVE-2010-2862のアウトオブバンド修正プログラムをリリースした直後、McAfee Labsでは、新たなゼロデイ脆弱性を利用するマルウェアが拡散していることを発見しました。iOS上で脱獄を実現するPDFファイル表示の脆弱性やCVE-2010-2862と同様に、今回のゼロデイ脆弱性も、発生するのはAdobe ReaderがTrueTypeフォントを解析している間です。McAfee Labsの分析により、この脆弱性はAdobe Reader最新版(v9.3.4)に影響を及ぼすことが確認されました。

このゼロデイ脆弱性は、典型的なスタックバッファオーバーフローの脆弱性であるため、この問題点を悪用するのは比較的簡単なようです。「Adobe Reader」の最新版はスタック保護(/GS)付きでコンパイルされていますが、このエクスプロイトは、ROP(Return Oriented Exploitation)テクニックを用いて/GS保護やDEPを回避します。

同様のテクニックが、旧式のアドビTIFFファイル解析の脆弱性に利用されていたことが分かっています。こうしたすべてのことが、ROPがDEPや既存のスタック保護を回避する手段として、マルウェア作者に幅広く認められているという事実を指し示していると思われます。

McAfee Labsは現在、アドビPSIRTと協調しており、このバグの詳細情報をすでに提供済みです。同アドビチームは、この問題に積極的に取り組んでいます。Adobe Acrobatユーザーの皆さんには、各種製品のセキュリティ定義の更新をお勧めします。

[レポート]クラウド環境の現状レポートと今後 ~クラウドの安全性の状況と実用的ガイダンス

 マカフィーでは、1,400人のIT担当者に年次アンケートを実施し、クラウド採用状況やセキュリティについて調査しました。
 調査の結果、クラウドの採用とリスク管理への投資を増やしている組織がある一方で、クラウドの採用に慎重なアプローチをしている組織が多いことがわかりました。
 本調査では、クラウドサービスの利用状況を分類し、短期投資の確認、変化速度の予測、重要なプライバシーおよびセキュリティ上の障害物への対応方法の概要を示しています。

 本レポートでは、クラウドの現状把握と今後の方向性、クラウド対応の課題やポイントを理解することができます。

<掲載内容>
■ 主要調査結果
■ 調査結果から言える方向性
■ 課題への対応
■ 変化への対応力
■ 考慮すべき点:安全なクラウドの採用で事業を加速