ビジネスとしてのマルウェア生産

マルウェア生産は、世界経済の浮き沈みと無関係に記録的な勢いで続いています。マルウェア開発が、単なる楽しみや自慢のネタだった時代は既に終了しており、今や多くの犯罪者がビジネスとしてマルウェア生産を行っており、金銭を稼いでいます。

McAfee Labsで重複しないようマルウェアを数えたところ、既に2009年上半期の時点で2008年通期とほぼ同じ数を観測しました。2008年のマルウェア数が過去最悪の増加ペースだったことを考えると、2009年は驚くべき状況といえます。

マルウェア数の推移(重複なし)

他のデータも紹介したいと思います。マルウェアは重複分を除いても、平均で毎月20万個、1日当たり6000個以上も出現しています。この数字は種類の異なる(つまり個別に対策用ドライバを作る必要のある)マルウェアを数えており、発見したものすべては含めていません。

上半期だけを比較しても、2009年は2008年の3倍弱にまで増えています。この急激な増加は、まるでムーアの法則のようといえます。

マルウェア数の比較(2008年上半期と2009年上半期)

マルウェアの増加が止まらない要因はたくさんありますが、現時点では犯罪者が加担していることが最も大きな理由です。マルウェアはデータを盗むものであり、マルウェアを作成して配布するのは犯罪者です。サイバー犯罪用のツールやコードは簡単に入手可能で、このような状況が変わることはありません。セキュリティ教育とシステム更新を怠らずに実施することが、安全なコンピュータ利用の実現につながるといえるでしょう。

 

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