※本記事は、マカフィー社 プレジデント David DeWaltによる記事です。
現在、コンピューティングの世界では、ハードウェアとセキュリティの世界がひとつになろうとしています。先日、マカフィーとインテルは共同で、マカフィーがインテルの傘下に入ることの意味について、投資家に説明を行いました。
今回の説明会は、インテルによるマカフィー買収完了後、初めての外部向け説明会になりましたが、両社がひとつになることで、サイバーセキュリティの分野で偉大な革新が生み出されることは確実といえるでしょう。また両社は、人々がコンピューターとネットワーク接続の可能性をより安全にフル活用できるよう、取り組んでいく意向です。
サイバー犯罪は、この10年間で驚くほどの勢いで広がっており、資本主義がサイバー地下市場を支配していると共に、その脅威が飛躍的に高まっています。McAfee Labsでは現在、1日55,000以上の固有なマルウェアを特定しています。これに加えて、ネットに接続するデバイスの数、オンラインサービスの利用が増えていることから、現在のセキュリティソリューションでは安全を担保し続けることは難しいと言わざるを得ません。
マカフィーがインテル傘下に入ることのメリットとしては、大きく以下の4点があげられます。
- インテルは革新により世界を変えようとしている。
- インテルとその販売チャネル、パートナーシップを通じて、マカフィーの市場範囲が約50倍広がる。
- マカフィーとインテルは現在、ソフトウェアとシリコンの両方を利用し、セキュリティの仕組みのパラダイムを変える新たなテクノロジーに取り組んでおり、年内のリリースが予定されている。
- マカフィーは、クラウドから、あるいはその場で、活用されていない既存のシリコンの機能を起動できる管理プラットフォームを提供する。
現在取り組んでいるテクノロジーに関連して、今後はインテルとマカフィーがシリコンとソフトウェアの力を結集していきます。インテルはすでに、コンピューティングの信頼を高めるため、セキュリティソフトが活用できる複数のテクノロジーを、コンピューティングスタックの深いレベルで生み出しています。また、インテルvProテクノロジーやインテル バーチャライゼーション・テクノロジーなど、ソフトウェアが活用できる複数の機能は、すでにハードウェアに組み込まれています。今後リリースされるマカフィーのテクノロジーでは、これらをはじめとする機能が活用されます。
インテルは今も昔もシリコン企業、ハードウェア企業として有名です。しかし、インテルはこの10年間で大きく進化しており、今や、シリコン上のさまざまなコンピューティングスタックのレイヤーで動作するテクノロジーを持つ、プラットフォーム企業といえるでしょう。
インテルのシニアバイスプレジデント兼ソフトウェア&サービス事業本部ゼネラルマネージャーであるリネイ・ジェームズ(Renée James)は、次のように述べています。 「単なる半導体企業から、プラットフォーム企業、そして包括的なソリューション企業に進化する必要があるというのは、インテルの戦略の長期的な視点であると同時に、マカフィーにとっても長期的なビジョンの一環です」
またリネイは、セキュリティが「インテルの各部門を越えて広がるテクノロジーベクトルのひとつ」であることを繰り返し述べ、インテルのセキュリティ製品はすべて、マカフィーブランドで動作することになると指摘しました。今後のセキュリティ関連の買収企業やソリューションもすべて、マカフィー傘下に入る予定です。マカフィーは今後も自社ブランドで製品、サービスを開発、販売し、インテルのソフトウェア&サービス事業本部の100%子会社として活動します。
今後もマカフィーは、両社の取り組みについてブログで詳しく説明していく予定です。
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※本ページの内容はMcAfee Blogの抄訳です。
原文:Securing Tomorrow’s Computing Stack