2010年4月、メキシコ湾の石油掘削基地が爆発し、原油が流出するという事件がありました。このような悲劇的な事件は、サイバー犯罪者の格好のチャンスになります。事実、メキシコ湾での原油流出に関連するスパム、寄付の依頼、アフィリエイトマーケティングなど、様々な手法が既に確認されています。今回はその中でも、おもしろいアフィリエイトマーケティングプログラムについて取り上げます。
以下の件名を使用した、原油流出の影響を受けた人たちへの法的なアドバイスを提供するメールが確認されています。
File your lost income claim against BP Oil (BP社に対する利益損失の賠償請求)
Gulf Coast Oil Spill Information (メキシコ湾岸の原油流出の情報)
Gulf coast oil spill legal information (メキシコ湾岸の原油流出の法律情報)
Have you been effected by the oil spill? (原油流出の影響を受けていますか)
Oil Spill Injury Representation (原油流出被害の代表訴訟)
Oil Spill Lawsuit Compensation (原油流出の賠償訴訟)
Oil Spill Lawsuit Information for (原油流出の訴訟情報)
Oil Spill Lawsuit Information (原油流出の訴訟情報)
Will the oil spill hurt your business? (原油流出は御社に悪影響を及ぼしますか)
一般的に、これらのメールには、1~2行の短い文章と、責任者に対する利益損失の賠償請求に関する情報へのリンクが記載されています。リンクをクリックすると、リダイレクトにより、見知らぬサイトに連れて行かれます。あるメールには、jellydrum.comにあるURLへのリンクが記載されており、lynxtrack.com、さらにはchilaytrk.comにリダイレクトされ、最終的にはhttp://www.consumerinjuryalert.com/oil/index.phpに行き着きました。
さらに調査したところ、consumerinjuryalert.comというドメインは、実際には、他の多数のアフィリエイトマーケティングキャンペーンのホストであることが判明しました。
多くのユーザーが、これらのアフィリエイト広告キャンペーンは迷惑なキャンペーンであり、倫理的でない広告手段だと考えています。多くの場合、ユーザーはこれらのメールをスパムとしてサービスプロバイダーに報告しているため、このようなメッセージは頻繁にブロックされています。それでもなお、アフィリエイトマーケティングと情報収集は大きなビジネスであり、当分の間無くなることはありません。
個人情報を提供する相手には、必ず提供する前に注意を払ってください。ひとたびデータを渡してしまうと、自分でコントロールすることはできません。個人情報の提供は、信頼できると思うベンダーのみにしてください。渡したくない機密情報は絶対に提供しないでください。メールアドレスが無用なマーケティングに使われる可能性があると感じた場合は、必要なときだけ確認する使い捨てのアドレスを使用しましょう。データがどのように使われるか、誰に渡るかを最後まで管理することはできませんが、どの程度まで個人的な情報を提供するかについては自分で決めることができます。
※本ページの内容はMcAfee Blogの抄訳です。
原文:Peering Into the Affiliate Marketing Window