中国で50万台以上のAndroid端末を感染させたワーム攻撃が発生

中国で先週末、Android携帯電話ユーザの間でSMSワームが拡散しているとの報道がありました。感染した端末は50万台以上に及んだようです。

 

端末上のアドレス帳に登録された連絡先に以下のようなSMSメッセージを送信することでこのマルウェアは拡散します:

 

Xshenqia1

 

このマルウェアは単なるワーム以上のものです。実際には、これはワーム+トロイの木馬の構成となっています。トロイの木馬部分は、元のインストールパッケージに含まれる別のパッケージとして存在します。

マルウェアがインストールされると、このトロイの木馬がインストール済みかどうかを確認し、そうでなければユーザにインストールを促します。

 

 

Xshenqia2

 

インストール後、マルウェアは、このマルウェアの作者のものであると思われるコントロール・サーバの電話番号宛にSMSメッセージを送り、新たな被害者が感染したことを伝えます。

 

 

Xshenqia3

 

その後さらに、ユーザにIDと名前を入力するよう促し、それらの情報を同じくコントロール・サーバに送信します。

 

 

Xshenqia4

 

 

トロイの木馬は端末上でのSMSの受信を監視し、コントロール・サーバの電話番号宛に全ての受信SMSを転送します。また、以下のコマンドを実行します:

  • readmessage: 全てのSMSメッセージを取得し、マルウェア作者のメールアドレス宛に送信する
  • sendmessage: メッセージ本文内の電話番号にメッセージを送信する
  • test: マルウェア作者にテストメッセージを送信する
  • makemessage: 偽のメッセージを作成し、受信フォルダに挿入する
  • sendlink: ユーザのアドレス帳の内容をマルウェア作者のメールアドレス宛に送信する

 

ユーザのIDカード番号、本名、SMSメッセージを用いることで、マルウェア作者は、ユーザの銀行口座情報を盗んだり、オンライントレードを乗っ取ったり、送金したりすることに一歩近づきます。中国のいくつかの銀行は、顧客がIDカード番号とパスワードで口座にアクセスすることを可能にしています。

 

Xshenqia5

 

私たちは、このマルウェアサンプルの2つのバージョンを確認しています。それらのペイロードは、片方には拡散のためのワーム機能が含まれていないことを除き、ほぼ同じです。マルウェア作者は、ワーム機能を追加することでより多くの端末を感染させたいと考えたのでしょう。

 

McAfee Mobile Securityはこれらの脅威をAndroid/XSchenqi.Aとして検出します。

 

報道によれば、このマルウェア作者は、単に自分の能力を証明したいという理由でマルウェアを開発した大学生だそうです。人々の関心を引く興味深い方法だといえるでしょうか。

 

※本ページの内容はMcAfee Blogの抄訳です。

原文: Chinese Worm Infects Thousands of Android Phones
著者: Michael Zhang (Mobile Malware Researcher)

 

[レポート]クラウド環境の現状レポートと今後 ~クラウドの安全性の状況と実用的ガイダンス

 マカフィーでは、1,400人のIT担当者に年次アンケートを実施し、クラウド採用状況やセキュリティについて調査しました。
 調査の結果、クラウドの採用とリスク管理への投資を増やしている組織がある一方で、クラウドの採用に慎重なアプローチをしている組織が多いことがわかりました。
 本調査では、クラウドサービスの利用状況を分類し、短期投資の確認、変化速度の予測、重要なプライバシーおよびセキュリティ上の障害物への対応方法の概要を示しています。

 本レポートでは、クラウドの現状把握と今後の方向性、クラウド対応の課題やポイントを理解することができます。

<掲載内容>
■ 主要調査結果
■ 調査結果から言える方向性
■ 課題への対応
■ 変化への対応力
■ 考慮すべき点:安全なクラウドの採用で事業を加速