FOCUS JAPAN 2015 (2015年11月13日開催) における最注目ポイントといえば、特別講演として登壇いただける、米国土安全保障省サイバーセキュリティ担当次官補 アンディ・オスメント博士といっても、過言ではありません。
このブログでは、米国セキュリティ政策をリードする現職の次官補であるアンディ・オスメント博士の経歴や博士が今、どのような重責を担っているかを説明します。
テロや自然災害などあらゆる脅威から国土の安全を守る米国土安全保障省
まず、日本人にとってなじみが薄い国土安全保障省 (United States Department of Homeland Security、略称:DHS)について紹介します。
国土安全保障省は、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロ事件の発生を未然に防げなかったことから設立された国家機関です。当時、国内の安全情報に関する情報機関が多数に分立していたことが、テロ発生につながったという反省に立ち、2002年11月25日に、22の国内組織を統合し、現在では、20万人以上の職員を持つ巨大組織になっています。
現在国土安全保障省が管轄している、私たちにとってなじみ深い部門といえば、大統領を守るシークレットサービスがあります。他にも、入出国管理、国境警備隊や沿岸警備隊などが属します。余談ですが、大人気テレビドラマ『24 -TWENTY FOUR-』に登場した架空の政府機関であるテロ対策ユニット(Counter Terrorist Unit、略称:CTU) は、一時的に、国土安全保障省に所属したことになっています。
国土安全保障省を単純に日本の政府機関にたとえることは難しいのですが、法務省の入国管理局、警察・警視庁のシークレットサービス、海上保安庁、財務省関税局、等々の機能も含めた組織といえますので、その巨大さを想像していただけるのではないでしょうか?
この国土安全保障省のもっとも重要な部門の1つが、オスメント博士が所属する国家保護・プログラム局内のサイバーセキュリティ・通信室なのです。この部門は、政府機関や重要インフラのサイバーセキュリティに責任を持っています。日本政府でカウンターパートとなるのは、内閣府の内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)となります。
「米国サイバーセキュリティ政策のブレーン」 アンディ・オスメント博士
現在、サイバーセキュリティ・通信室の次官補を務めているのが、アンディ・オスメント博士です。次官補は、国土安全保障省長官、次官に次ぐ、ポジションです。日本の中央官庁では、長官にあたる人が大臣、次官にあたるのが事務次官、審議官にあたるのが次官補といったところですので、政府高官といっても差し支えない役職となります。
オスメント博士は、予算として9億3,000万ドル近くを管理し、国家のサイバーおよび通信インフラのセキュリティ、レジリエンス、信頼性の強化について統括しています。DHSのオフィシャルサイト“Leadership”のリストにも名を連ねる方です。
http://www.dhs.gov/leadership(英語)
オスメント博士が率いるサイバーセキュリティ部門の下部組織には、US-CERTやICS-CERTがあります。
US-CERT(United States Computer Emergency Readiness Team)は、国家のサイバーセキュリティに対する姿勢を向上させること、関連情報を広く普及させること、そして国のサイバーリスクを管理することを目的とした組織です。
ICS-CERT(Industrial Control Systems Cyber Emergency Response Team) は、電力、ガス、航空、鉄道など重要インフラの運用の中核を占めている制御システムのセキュリティ強化を技術面から推進する組織です。
つまり、オスメント博士は、米国におけるサイバーセキュリティに関する情報をすべて知る立場にあるのです。日本でいえば、JP CERT、情報処理通信機構(IPA) 等の機能を統括する立場になります。
オスメント博士は、米国土安全保障省に入省する前から、数々の米国政府におけるサイバーセキュリティ政策の重要な役割を担ってきました。次官補になる直前の役職は、ホワイトハウスのサイバーセキュリティ部門のトップである上級部長を務め、重要インフラ防御、サイバーセキュリティ関連法の制定、行政機関のセキュリティ、プライバシー・市民の自由、情報共有およびインシデント対応の分野において、国家政策の立案および連邦政府のサイバーセキュリティ関連プロジェクトの調整チームを指揮していました。
すなわち、オスメント博士は、サイバーセキュリティに関して、オバマ大統領に直々に報告や提言をする立場の役職にあったということになります。
まさに、米サイバーセキュリティ政策のブレーンであるといっても、言い過ぎではないでしょう。
このような方が日本で講演されるタイミングは、役職を終えられてからというのが一般的かもしれません。今回の特別講演では、現職のサイバーセキュリティ担当次官補という米国政府高官が登壇するというまたとない機会です。
ぜひ、FOCUS JAPAN 2015 にご参加ください。
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【開催概要】
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開催日時: | 2015年11月13日(金) 10:00~19:00(9:30開場) |
会 場 : | ザ・プリンスパークタワー東京 |
参加費 : | 無料(事前登録制) |
対 象 : | 企業、官公庁の情報システム部門・セキュリティ管理者 |
: | セキュリティ製品の販売店・システム インテグレータの担当者 |
主 催 : | インテル セキュリティ(マカフィー株式会社) |
詳細・お申し込みは ≫ こちらから