レジストリを変更してセキュリティを低下させる、トロイの木馬

マルウェアの中には、PCのセキュリティを低下させることにより、間接的にマルウェア感染やシステム改変の危険性を高めるものがあります。このようなマルウェアは、レジストリにアクセスできなくしたり、「Internet Explorer(IE)」のセキュリティレベルを緩めたり、システムファイルを削除したり、DNS設定を変えるなどの影響を及ぼします。今回はその一例として、レジストリを変更してPCのセキュリティを弱めるトロイの木馬を紹介します。

このトロイの木馬は、タスクマネージャと「Windows Update」、IEのツールバーを無効化するマルウェアです。さらに、感染したパソコンは操作ロックやパスワード変更ができなくなります。感染パソコンでCtrl+Alt+Delを押すと,以下のような表示が出ます。

McAfee Labsでは、こうしたタスクマネージャの機能不全を最も被害の大きいセキュリティ攻撃とみなしており、このマルウェアをトロイの木馬、QTaskMgr-1と呼んでいます。QTaskMgr-1の検出/除去は、定義ファイル(DAT)「5727」以降で実行可能です。

商用アプリケーションの中にも、トロイの木馬「QTaskMgr-1」に感染したコンポーネントが発見されているため、マカフィーでは、このマルウェアを「Potentially Unwanted Program(PUP)」(好ましくないと思われるプログラム)として検出することにしています。

ウイルス対策の調査作業は、そのプログラムの状況に全て左右されます。例えば、動作が怪しいうえ、間違ったデジタル署名を付与されたファイルを入手したとします。ユーザーのセキュリティに配慮するためには、このファイルをウイルス対策ソフトの検出対象にする必要があります。このファイルが、危険性のないアプリケーションのコンポーネントであるとことを知らない限り、危ないものとして扱わなければならないのです。

このような前提を設けているのは、「Induc」というウイルスに感染したファイルの事例があるからです。この例では、バイナリのリソースを確認しましたが、同じように感染していました。怪しい挙動や雰囲気があるのなら、悪質なファイルとして扱った方が、リスクが少ないのです。

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 本レポートでは、クラウドの現状把握と今後の方向性、クラウド対応の課題やポイントを理解することができます。

<掲載内容>
■ 主要調査結果
■ 調査結果から言える方向性
■ 課題への対応
■ 変化への対応力
■ 考慮すべき点:安全なクラウドの採用で事業を加速