2010年半ばのInformationWeek誌に掲載されていた記事で調査対象となっていたCIOの回答によると、企業の77%が現在、VDIソリューションを使用または使用に向けてテストしているとのことです。その一方、仮想デスクトップはディスラプティブ技術であり、表面的にはほとんどの配備で投資収益が上がっておらず、検討すべきオプション、ベンダーは多岐にわたります。仮想デスクトップを最大限に活用するためには、企業が考え方や計画、さらにはサービスを変えると同時に、セキュリティについての考え方を企業全体に浸透させる必要があるといえるでしょう。
仮想デスクトップ技術のすばらしい要素のひとつとして、真にカスタマイズされたワークフローを提供することがあげられます。個人ユーザーは日常生活ですでに、アプリケーションストア、モバイル決済、ポイントカード、会員限定のタイムセールや割引、好みや履歴に基づいた情報提供などといった、カスタマイズの恩恵を受けています。大企業はこれまで、このようなパーソナライゼーションは得意ではありませんでした。
未来志向の企業では、知識の豊富な労働者は企業にとって最も有用な「資産」であり、リスクでもあるという事実を受け入れ、実際のユーザー体験に基づいたサービス、システムを展開し始め、より柔軟性のあるワークスタイルを推進しています。ある調査結果によると、テクノロジーに精通した従業員にモバイルデバイスを活用させることができれば、労働時間を年間で最大240時間も増やすことができることが明らかになっています。
では、この状況において、セキュリティはどのように変わるべきでしょうか。従来、セキュリティは、ブロックされた脅威の数、乗っ取られなかった日数で評価してきました。今後もこのような評価は有用ではありますが、今後のセキュリティ課題の多くは、ポリシーや許容される利用を軸に扱われるべきといえるでしょう。ポリシー管理を成功させるには、柔軟で容易な管理が必要不可欠です。しかし残念なことに、多くの場合、セキュリティやポリシーの管理は、設計やビジネス要件のオマケ的な扱いになっています。
企業にとっては、ポリシーの設定やコンプライアンスのレポートが、簡単に管理できるかどうかが重要です。仮想デスクトップ技術の浸透には、インストールされているアプリケーション、違反の原因となっている問題など、デバイスのコンプライアンス、またVDIワークフローのセキュリティコンプライアンス、ウイルススキャン結果などが、直ぐに入手できる体制が必要です。
多くの選択肢があるために、企業にとってパーソナライゼーションは複雑なものになりがちです。しかし、物理的制約にとらわれない環境でビジネスの実行が可能になり、実質の労働時間が増加するのは、単なるIT課題の解決に留まらず企業経営にとって大きなチャンスといえるでしょう。
※本ページの内容はMcAfee Blogの抄訳です。
原文:Pondering Security And Virtual Desktops