2月25日からバルセロナで開幕されるMobile World Congress(MWC)。今年のイベントには、約205カ国から2400社が出展し、推定107,000人が集まる予定です。イベントの注目はモビリティですが、会場ではIoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)、5G、コネクティビティなどをめぐる議論も盛んに行われると見られています。
ヨーロッパ最大のITイベントを控え、今年のMWCで予想される主要なテーマと、マカフィーにとっての意義について、マカフィー幹部に聞きました。
Q:人工知能と新しい5G規格は、モビリティの最も重要なトピックです。今年のMobile World Congressで、これら2つのトピックは重要な役割を果たすと思いますか?
ギャリー・デイビス チーフ コンシューマ セキュリティ エバンジェリスト もちろんです。5Gが本格展開を始める中、一般的に社会や私たちのエコシステムにどんな影響があるかを見極めようと、だれもが息をひそめて待ち構えています。タイムラグがほぼない5Gのようなテクノロジーによって、より多くのデータが収集、集約されるでしょう。大量のデータから意味のある洞察を得るためには、AIベースのソリューションが不可欠です。
ラディカ・サラン グローバル コンシューマ プロダクト マーケティング担当ディレクター 5GとAIは、MWC 2019での議論のホットトピックになるに違いありません。展示会場ではこれらのテクノロジーを取り入れた製品やサービスが並ぶと思います。5Gによって、私たちのコンテンツの利用の仕方や新しいテクノロジーの取り入れ方、つながり方は大きく変わるでしょう。ただしこのことによって、デジタルトラストの概念を再定義する必要性も増しています。限定的で脆弱だったAIが、最近では自然言語処理、機械学習、および高度なアナリティクス の分野で飛躍的な進歩を遂げました。これらのテクノロジーもサイバーセキュリティチームのサイバー攻撃予測やプロアクティブなソリューションの構築にとって有用です。
Q:今年のMobile World Congressのテーマはインテリジェントコネクションです。このことばはマカフィーにとってどんな意味がありますか? エンタープライズビジネスにとっての意味はどのようなものですか?
デイビス:マカフィーとしては、インテリジェントについては、信頼が確立されていなければならないということだと解釈しています。信頼がなければ、インテリジェントコネクティビティは存在しません。
ネイサン・ジェニガス デバイス セキュリティ ビジネス担当シニアディレクター 必要なときに必要な方法で情報にアクセスできることを意味します。モバイルデバイスを通じたアクセスがますます増えていますし、従来の勤務時間に限らず、いつでも一日中アクセスする必要が生じています。また、同じデバイスが個人用にもエンタープライズ用にも使われるため、組織に対するリスクレベルが増大しています。インテリジェントコネクションにとってセキュリティは根本的なものです。接続はいつでもできますが、しかしリスクを増大させないよう、セキュアな接続を確保することが賢明です。例えば、ミッションクリティカルな機器をコンセントに挿す場合。やみくもにどんなコンセントにも挿入するのではなく、ある種のサージプロテクターを使えば、ミッションクリティカルな機器を破壊することはありません。モバイルデバイスが組織のリソースに接続されている間、攻撃から保護する役割を果たすのがサージプロテクターなのです。
Q:昨今さまざまな業界イベントで、新しいテクノロジーとIoTデバイスの発表が行われていますが、今年これから新たに注目されそうなセキュリティの課題にはどのようなものがあるでしょうか?
デイビス:今日作られている新しいデバイスはほとんど全てネットワークに接続するように設計されています。しかし、ほとんどのメーカーは市場投入までの時間短縮と利便性の向上を優先しているため、効果的なセキュリティコントロールが抜け落ちている場合があります。そのため、攻撃対象範囲は急速に拡大し、悪意のある攻撃者の格好の標的になるのです。
サラン:消費者、企業、ネットワークプロバイダーの間でのIoTの成長とともに、セキュリティ脅威の侵入経路は変化し、進化しています。ハッカーはコネクテッドな世界の拡大の中で儲けるための新手の方法を常に探しています。2020年までには1世帯に50を超えるデバイスが存在するようになると予測されているため、DDoS攻撃やIoTベースのランサムウェアは間違いなく増えるでしょう。デジタルライフの変革を約束する5Gの登場により、サービスプロバイダーはセキュリティを最優先課題として取り組み、コネクテッドな世界の拡大で消費者のデジタルトラストを築くことが不可欠になるでしょう。
Q:2019年にモバイルはエンタープライズにどのような影響を与えるでしょうか?
ジェニガス:モバイルの脅威は記録的なレベルで増え続けており、毎月、多くの脆弱性が発見されています。この脅威の増大に加え、モバイルデバイスは急速に主要なエンドポイントデバイスになりつつあり、モバイルを使って業務を行うことが増えてきました。これらのデバイスは、従来のエンドポイントと同じ情報にアクセスし、同じ情報を保存しているのにセキュリティ保護が全くされていません。攻撃者なら最も手っ取り早い攻撃経路を探すでしょうし、その意味でモバイルは明らかに格好の経路となります。
会場へお越しの際は、ぜひマカフィーブース(エキスポホール5のブース#5A21)にお立ち寄りください。会場からのリアルタイムの更新情報や、期間中景品を獲得できる機会についてなどは、@McAfeeと@McAfee_Homeをフォローして御確認ください。
※本ページの内容は、2019年2月19日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Mobile World Congress 2019: Q&A with McAfee Leadership
著者:McAfee Enterprise