VPNを使用した安全な接続とそのメリット

VPN(Virtual Private Network、仮想プライベートネットワーク)については、その機能やセキュリティ上の利点などについて、さまざまな誤解があるようです。VPNが実際にどのように機能するのか、また、どうしてVPNを使うべきなのかということを解説します。

VPNとは

VPNの使用による安全な接続

VPNは、個人情報を安全に保ちつつインターネットを閲覧するためにデバイスにインストールするアプリです。

VPNはデバイスに常駐して安全にインターネットに接続できるようにするアプリだということは聞いたことがあるでしょう。VPNアプリをオンにすることで、デバイスとVPNサーバー(インターネットトラフィックをルーティングする専用コンピュータ)を安全な状態で接続します。「接続を暗号化されたトンネルで覆い隠す」ようなものだと例えられます。つまり、デバイスとサーバーを安全な状態で接続することで、インターネット上で何をしているか、自分だけにしかわからないようにするということです。結果的にトラッキングされたり接続を傍受されたりすることや、ターゲティングされた広告表示などを避けることができます。

VPNでIPアドレスが変わる仕組み

ケーブルモデムなどのインターネットの接続機器には、IPアドレスと呼ばれる固有の数字が割り当てられ、ジオロケーションやISPなどの情報と結びついています。VPNは実際のIPアドレスを置き換えて、実際にいる場所ではなく別の場所からインターネットに接続したように見せます。多くの人がVPNを利用する主な理由のひとつです。広告トラッカーに追跡されないため、検索履歴を知られたくないときに便利です。

VPNを使ってIPアドレスを変更する方法

VPNアプリを起動し、接続したいサーバーの場所を選択するだけでIPアドレスを変更することが可能です。これで、新しいIPアドレスでのブラウジングが可能になります。IPアドレスが変更されたことを確認したい場合は、ブラウザで「What’s my IP address」と検索し、表示された結果をクリックしてください。

VPNを使用したほうが良いケースとは

VPNをいつ使用するか、それはその目的によります。例えば、39%のユーザーは、公共のWi-Fiは安全ではないと理解しているにもかかわらず、公共のWi-Fiでバンキングやショッピングなどの個人情報などの秘匿性が必要なやり取りをしています。空港やカフェなどでは、ぜひVPNを使用してください。

先述のとおり、多くの人はプライバシー保護のためにVPNを利用しています。たとえば、広告主からの追跡を阻止するためです。VPNを利用すれば、検索や訪問したウェブサイトは追跡されません。つまりVPNを利用すれば、配偶者とコンピュータを共有していても、サプライズ旅行を計画して配偶者を驚かせることができます。VPNを利用しない場合、配偶者がブラウズしているときに航空券やホテルのターゲティング広告が表示されてしまうと、せっかくのサプライズが台無しです。

検索履歴を保護

VPNは、安全な接続を共有することで、検索履歴を保護します。ウェブサイトを検索したり、ナビゲーションバーにURLを入力したりすると、デバイスはDNSリクエストと呼ばれるものを送信し、ウェブサイトをウェブサーバーのIPアドレスに変換します。VPNによってDNSリクエストを暗号化することで、検索習慣や履歴の情報を悪用して利用者のプロファイルを構築しようとする広告主やハッカーから情報を隠すことができます。検索習慣や履歴などの情報は、合法的なターゲティング広告に利用される場合もありますが、悪意のあるソーシャルエンジニアリングに使われる場合もあり、さまざまな目的で使用される可能性があります。

個人情報を保護

VPNを使用すれば、インターネット上で利用者を追跡するトラッカーをブロックして、アイデンティティを保護できます。別の場所で、別のデバイスからブラウジングが行われているように見せることができるため、広告主が構築しようとするプロフィールからは利用者を特定できなくなります。

さらにVPNを利用することで、公共のWi-Fiを利用したユーザーと、そのユーザーが閲覧するウェブサイトの間に、悪意のある者が割って入ろうとする攻撃・ハッキングを阻止して、プライバシーを守ることが可能です。これはいわゆる「中間者攻撃」と呼ばれるものですが、それはまた別の機会にご紹介しましょう。

VPNの利用による匿名性

VPNを使っても利用者を匿名にすることはできません。安全にインターネットを利用できますが、ISPはインターネットの利用を認識しています。しかし、利用者の行動、例えば何をしているのか、どのサイトを訪れているのか、どのくらいの時間サイトに滞在しているのかということまではわかりません。

プライベートブラウジングモードとVPN

プライベートブラウジングモードは、プライバシー保護に役立ちます。他の人とデバイスを共有していて、検索履歴を見られたくない場合に便利です。プライベートブラウジングモードとVPNの違いについては、こちらの記事で解説しています。

Appleのプライベートリレーとは

Appleのプライベートリレーは、現在ベータ版です。まもなくiOSとmacOSのSafariユーザー向けのiCloud+のサブスクリプションで利用できるようになります。プライベートリレーはVPNに似ています。IPアドレスを変更することで、閲覧したウェブサイトから利用者のロケーションを正確に把握できないようにします。

プライベートリレーの機能

プライベートリレーをオンにするとデバイスがサーバーに接続されて、ブラウジングデータがインターネットを経由する前に、2つ目のサーバーに送信されます。ダブルホップによって、ファーストサーバでは利用者の追跡をしにくくするために新たなIPアドレスを付与し、セカンドサーバでは利用者が閲覧しているウェブサイトからその情報を隠します。ファーストサーバは利用者のオリジナルIPアドレス情報のみを取得します。セカンドサーバは利用者の閲覧している内容のみ把握しますが、IPアドレス情報は取得できません。

プライベートリレーとVPN

Appleのプライベートリレーは、iOSおよびmacOSSafariでのみ動作します。Apple製デバイスを使用している場合も、デバイスがSafariの外へ送信する情報を保護するために、VPNの利用をお勧めします。


専用のVPNを利用する方法

さまざまなVPNアプリがありますが、例えばトータルプロテクションの場合は、無制限でVPNをご利用いただけます。トータルプロテクションのセキュアVPNを使って、銀行情報やクレジットカードなどの個人情報を守りましょう。まだご登録されていない場合はこの機会に導入をご検討ください。トータルプロテクションは、お使いのすべてのデバイスにセキュリティを提供し、オンラインでのお買い物や銀行取引、ブラウジングを安心してお楽しみいただけます。もちろん、VPN単体での提供もしています。


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※本ページの内容は2021年7月27日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容を一部日本向けに編集しています。
原文:What is a VPN and Can it Hide My IP Address
著者:Baker Nanduru