現在ではキャッシュレス決済が浸透していますが、かつては、小切手で家賃をルームメイトと割り勘していた時代もありました。今時、小切手帳を持っている人なんていないでしょう。もちろん、VenmoやZelle、Cash AppなどのP2P(Peer to Peer)モバイル決済アプリのおかげで、そのような時代はほぼ終わりつつあります。Venmo、Zelle、Cash AppなどのP2P(ピア・ツー・ピア)モバイル決済アプリのおかげで、今ではテーブルを離れる前にアプリをクリックするだけで、友人にブランチの代金を送金することができます。P2Pモバイル決済アプリは便利なだけに、詐欺などに注意を払わなければなりません。しかし、簡単な対策によって自分の身を守ることができます。
スマートフォンには、すでにキャッシュレス決済用のアプリが入っているかもしれません。おそらく大多数の人のスマートフォンにインストールされているでしょう。米国では、成人の70%がこれらのモバイル決済アプリを使用していると言われています。また、これらのアプリを1種類だけでなく、複数所有している可能性もあります。米国の成人では1つの決済アプリしか利用していないという人はわずか25%しかいません。
しかし、アプリにはそれぞれのポリシーや規約があるため、万が一、不正な請求をされた場合にお金を取り戻すのはそう簡単ではない場合もあります。
そこで今回は、P2Pモバイル決済アプリを安全に利用するため、今すぐ役立つ7つの対策をご紹介します。
目次
キャッシュレス決済のセキュリティ対策
1. 顔認証、指紋認証、PINで保護を強化する
強力なパスワードでアカウントを保護するだけでなく、PINコード、顔認証、指紋認証を使用するようにアプリを設定しましょう。(同様に、スマートフォンのロックも設定しましょう。)そうすれば、スマートフォンの盗難や紛失の際に、あなた以外の誰かがスマートフォンで支払おうとした場合でも、何重にも保護されます。
2. 全額を支払う前にリクエストやテストを行う
違う相手にお金を送るといった最悪のミスを犯さないために、友人に初めて送金する場合は、その人から支払いのリクエストをしてもらいましょう。そうすれば、正しい相手に送金しているかどうか、すぐに確認可能です。アカウント名は自由に作ることができるので、ちょっとしたタイプミスで見知らぬ人に送金をしてしまうことがあります。しかも、そのお金は永久に消えてしまうかもしれないのです。
また、「テストペイメント」という方法もあります。新しいアカウントに少額の送金をすることで、お互いにルーティングが適切であることを確認できて安心して全額を支払うことができます。
3. モバイル決済アプリは、簡単に「保留」や「支払い停止」できないことを認識する
一度送金してしまえば、そこで支払いは終了です。新しいモバイル決済アプリは、他の決済手段とは異なり、請求に対する異議申し立て、支払いのキャンセル、リコール、やり直しといった機能がありません。先述のように、「絶対に正しい相手だと確認してから支払うべきだ」と考える理由に納得していただけるでしょう。
4. 可能な限りクレジットカードでアプリを使用する
デビットカードに比べて、クレジットカードでモバイル決済アプリ(およびオンラインショッピング)を利用することには明確な利点があります。基本的にクレジットカードを利用することで、詐欺から身を守ることができます。
デビットカードは、支払いが行われるとすぐに口座から現金が引き落とされますが、クレジットカードは支払い請求時に不正行為を見つけた場合、異議を申し立てることができます。
米国では、クレジットカードを紛失したり盗まれたりしても紛失届を提出すれば、身に覚えのない請求に対する支払いの責任は生じません。また、紛失・盗難にあったカード1枚あたりの賠償責任は50ドルに制限されています。デビットカードにはこのような保護や救済措置はありません。
5. カードの紛失、盗難はすぐに対応して不正請求から身を守る
カードの紛失、盗難に気づいたらすぐに金融機関に報告しましょう。負債や損失を最小限に抑えるためには、タイミングが重要です。詳細については、米国連邦取引委員会(FTC)の記事をご覧ください。デビットカードやクレジットカードが盗まれた場合の対処法と責任の概要が説明されています。
決済アプリに関するFTCのガイダンスを参考にしてください。
「新しいモバイルアプリや支払い方法は、これらと同じ保護を提供していない可能性があります。つまり、何か問題が発生した場合、必ずしも容易にお金を取り戻せない場合もあります。決済サービスプロバイダーが提供する保護と保証内容について理解しているか、確認してください。」
6. スマートフォンの決済アプリを悪用したサイバー犯罪者に気をつける
悲しいことですが、事実です。詐欺師たちは、スマートフォンの決済アプリを使ったあらゆる種類の詐欺を働きます。よくあるのは、偽のチャリティ団体を作ったり、正規のチャリティ団体を装ったりして、モバイル決済で資金を要求するというものです。詐欺に遭わないためには、その慈善団体が合法的なものかどうかを確認してください。米国においてはFTCが、Better Business Bureau’s Wise Giving Alliance、Charity Navigator、Charity Watch、GuideStarなどのリソースを調査することを提案しています。
さらにFTCは、詐欺に遭わないために以下のことを推奨しています。
・アプリの詐欺防止ポリシーを確認し、問題が発生した場合に資金を回収できるかどうか、またその方法を理解しましょう。
・P2P決済アプリやプリペイドデビットカードでの支払いしか受け付けない事業者は危険ですので、気をつけてください。
・知らない人との間でP2Pで支払いをすることや、支払いを受けたりすることは絶対にしないでください。
・商品やサービスの購入時にP2P決済アプリを使わないでください。クレジットカードやデビットカードのような消費者保護が受けられない可能性があります。
7. スマートフォンの保護
人生の多くの時間でスマートフォンを利用して生活しています。セキュリティソフトウェアをスマートフォンにインストールすることで、スマートフォンに保存した情報と利用者自身を守ることができます。AndroidとiOSのどちらを利用する場合でも、モバイルセキュリティソフトウェアを活用することで、データの保護と安全なショッピングや支払いなど、恩恵を享受できます。
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※本ページの内容は2021年6月8日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Avoid Making Costly Mistakes with Your Mobile Payment Apps
著者: Lily Saleh