楽しい連休前後、後悔しない「セキュリティ・チェック」

 いよいよ、待ちに待ったゴールデンウィークが始まります。休暇を利用してレジャーや旅行、帰省など遠出をする方も多いのではないでしょうか。さらに今年は改元の関係もあり、10連休と例年以上の長期休暇となっており、一段とイベントムードが盛り上がりそうな雰囲気です。
 一方、旅先で普段はしないようなSNS投稿をしてしまったり、レジャー気分も相まって、怪しい詐欺に引っかかってしまったりしやすいタイミングでもあります。また、不在中の家や職場は、サイバー犯罪者が侵入しても気付くのが遅れることから、格好のターゲットになっています。
 そんなリスクを避けてゆっくり休暇を楽しむため、そして連休前後のデジタルライフの安全を確保するために、この記事でチェックの時間を取ってみてはいかがでしょうか。


1. お出掛け前のチェック

 旅行に出掛ける前の準備は、持ち物だけではありません。データやデバイスへの被害を避けるための対策も、いっそう重要になっています。

1-1. 旅行前にデジタルも“戸締まり”

 何日間も自宅を不在にするときは、いつも以上に自宅のパソコン・デバイスの防犯対策を。不在中にサイバー犯罪者が侵入できないよう、使わないWi-Fiや家電のインターネット機能は、スイッチをオフにしておきましょう。
 また、誰もいない家やオフィスが狙われて、端末そのものを窃盗されるケースもあります。玄関や窓の施錠だけではなく、デバイスや外付ハードディスク、データの入ったUSBメモリなど、なくなって困るものは施錠できる場所に収納しておくのも大切です。

1-2. 持ち出すデバイスの安全確保

 旅行に持っていく、パソコンやスマホ、タブレットなどのモバイル機器も“事前準備”をしておきたいところです。
 観光地での滞在中には、安全な通信環境が確保できるとは限りません。出掛ける前にOS、アプリ、セキュリティソフトの更新を済ませ、大切なデータはバックアップを取っておきましょう。それは出発時に充電を満タンにしておくのと同じことといえます。
 人が多い場所で高価な機器を用いる際は、盗難防止のためにチェーンなどの防犯グッズの使用もおすすめです。


2. 連休中や旅行中の「ご用心」

 連休シーズンは、大人も子どもも気が緩みがちなもの。しっかりセキュリティを確保しながら、安心して旅行やイベントを楽しみましょう。

2-1. 「令和」初の詐欺も!?

 過去の長期休暇やクリスマス、スポーツ大会といった大きなイベントの前後には、その時期にかこつけた詐欺が多数発生しています。今回は元号が変わることもあり「平成最後のセール」「令和初のビッグプレゼント」といった詐欺のメッセージが、メールやSNSなどで出回るかもしれません。
 サイバー犯罪者は思わぬ手口を練ってくるもの。発信元が信頼できる状態かどうか、冷静に見極める目を持ちましょう。

2-2. SNS投稿の前は、ひと呼吸おく

 バカンス先や楽しいイベントの最中には、SNSで喜びの気持ちを共有したくなります。でも、その前に「ひと呼吸」してください。
 もしかすると、あなたは羽目を外して、普段ならアップしないような画像や動画を載せようとしているかもしれません。また投稿した内容によっては、現在いる位置や宿泊先を割り出され、望まぬ来客を招いてしまう可能性もあります。
 現在地の共有機能はオフにして、具体的な場所が分かる写真やコメントは避け、何日かあけてから投稿するなど、防犯も意識しましょう。

2-3. フリーWi-FiはVPNで

 ホテルや街中のフリーWi-Fiの中には、セキュリティが十分に確保できないものが数多く残されていますので、むやみに接続しないよう気を付けましょう。
 もしくはVPNアプリを使えば、フリーWi-Fiへの接続であっても一定の安全性を確保することが可能です。VPNは暗号化通信を行うことで、仮に傍受されても解読を困難にするもので、マカフィーも「マカフィー セーフコネクト」を提供しています。


3. 長期休暇明けに気を付けたいこと

 長期の旅行から帰宅したら、家の異常がないか確かめて、ブレーカーを戻し、ガスの元栓を開けてから元の生活に戻ります。それと同じように、パソコンやネットも休み明けの安全確認が大切です。

3-1. OSやアプリの更新をチェック

 何日もパソコンを起動しない間に、バージョンアップや修正プログラムの公開が行われている可能性があります。更新バージョンがあるようなら、すぐに適用してください。
 そして休暇中にたまったメールを一斉に受信すると、その中にランサムウェアなどのマルウェアが含まれている場合もあるでしょう。怪しいメールや添付ファイルは開かないよう、普段以上に意識し、極力早めにセキュリティソフトを更新してください。

3-2. 持ち出したデバイスをスキャン

 ノートパソコンやスマホ、タブレットなど持ち出して使ったデバイスは、意図せずともぜい弱性のあるネットワークと接続してしまったかもしれません。念のため、ウイルススキャンしておきましょう。

3-3. 不審な使用履歴がないか

 職場のシステム担当者になっている場合には、上記と合わせて、パソコンの使用履歴やサーバーのアクセスログをいちはやくチェックしておきましょう。休暇中に不審なアクセスを受けた形跡が見つかるケースもあります。
楽しい休暇の前後だからこそ、リスクや不安のタネはできるだけ小さくして、思い切り楽しんでください。

著者:マカフィー株式会社 CMSB事業本部 コンシューママーケティング本部 執行役員 本部長 青木 大知