動画配信サービスやSNS、ショッピングサイト、オンラインバンキング……。数々のウェブサービスが暮らしを取り巻いているなか、家族で何個のID・パスワードを持っているでしょうか? そして不正ログインといった手口から、家族を守るために何らかの対策をしているでしょうか?
GoogleやFacebookのような大手サービスをはじめ、近年推奨されている対策に2段階認証の導入があります。セキュリティ面で利点が大きい方法ではありますが、何となく面倒で設定を先延ばしにしていたり、自分は設定していても、家族の分はまだまだ手つかずであったりという方も少なくないのではないかと思います。
そこで自分の設定を見直してみたり、ご家族に必要性を説明したりするために、2段階認証の基礎知識や主な必要性、設定方法へのリンクなどをまとめてみました。
2段階認証とは?
多くの会員登録制のウェブサービスは、基本的にIDとパスワードを入力してログインします。2段階認証とは、これに加えてもう1段階、何らかの異なる認証方法を組み合わせてログインを行う仕組みです。
現在は、携帯電話の番号を登録しておく形式が一般的です。ログインしようとすると、登録した番号に宛てて認証用のSMSなどが送られてくるので、まさに「自分自身」しかログインできないことになります。もしも他人がログインしようとしていたら、いちはやく気付くことにもつながるでしょう。
ログインに使用したパソコンやスマートフォンなどの自分のデバイスは、「このデバイスを信頼する」と登録しておけば、次回以降のログインもスムーズです。逆に公共のパソコンなどでは「信頼する」を選ばないようにしましょう。
必要な理由は?
なぜ改めて今、2段階認証が必要となっているのでしょうか。
まず現状では、ログインするためのパスワードを、ほとんどの人が使い回しているといわれています。SNSも動画配信サイトもショッピングサイトも……。数種類のパスワードだけで管理しておけば、覚えておくのも簡単です。ところがパスワードを使い回していると、1つのサービスからパスワードが流出したとき、ほかのサービスにまで不正アクセスが及ぶ可能性があります。
そんなときに、2段階認証を設定しておけば、犯人はパスワードだけではログインすることができません。安全を守るもう一枚の防壁になるのです。
クレジットカードや銀行口座、仮想通貨と紐付いたウェブサービスも増えているなかで、私たちは家族の財産の盗難と直結しかねないサービスに、ログイン、ログアウトを繰り返していることになります。各自が2段階認証といった機能を活用して、ガードを高めておくことが重要といえるでしょう。
意外にカンタンに設定できる
2段階認証の機能は、Twitter、Facebook、Google、Apple IDなど多くのウェブサービスが既に導入しています。
一方で各サービスの認証方法や、登録に使うメールサービスに、2段階認証をきちんと設定している人はまだ少数派に留まっています。例えば、多くの人が認証メールアドレスとして利用するGmail。提供元であるGoogleの発表によると、Gmailユーザーの約90%が2段階認証を使っていないようです。特に初心者ほど利用していないとみられますので、ご家族の皆さんで、よく話し合ってみてください。
2段階認証を利用する手順は各サービスによって異なりますが、基本的にはログイン後の設定画面を開き、「2段階認証を利用する」といった項目を「有効」にして、画面の説明に沿って進めます。主なウェブサービスでの設定手順は、下記のリンク先に説明されています。早ければ数分程度で完了しますので、ぜひ家族で設定しておきましょう。
・Googleアカウント(Gmail) 2段階認証プロセス
・Microsoftアカウント 2 段階認証について
・Facebook 二段階認証の概要とそのしくみ
・Twitter ログイン認証を使用する方法
・Amazon 2段階認証を有効にする
・Dropbox 2 段階認証を有効にする
著者:マカフィー株式会社 CMSB事業本部 コンシューママーケティング本部 執行役員 本部長 青木 大知