進学シーズン、“初めてのスマホ”をより楽しく使うために

 いよいよ新生活シーズンとなりました。進学や就職など新たなステージに進まれる皆さまに、お祝い申し上げます。
 さて、この時期に合わせてスマートフォンを使い始めるお子さまが多いのではないでしょうか。“初めてのスマホ”を持たせる保護者にとっては、我が子の成長を感じると同時に、不安も大きいものです。昨年実施した意識調査でも、セキュリティ管理に不安を持っている親が多い一方で、対策がうまくとれていない傾向が浮き彫りとなりました。
 ここではMMD研究所との共同調査「親と中学生に聞く初めてのスマートフォン利用の実態調査」を中心に、子どもたちの安全なスマートフォン利用について考えてみます。


フィルタリングをやりっぱなしが意外と多い

 この調査はスマートフォンを持つ中学生の親845人とスマートフォンを持つ中学生323人を対象に2016年に行ったもので、中学生のスマートフォン利用の実態が親子相方の視点から分かります。例えば中学生のスマートフォン利用率は40.9%ですが、保護者が持たせた理由は「塾や習い事に行き始めたから」、子どもは「LINEがしたかった」と考えていました。
 では、安全を守る手段として提供されている、フィルタリングサービスはどうでしょうか。保護者に利用の有無を聞くと、利用率は48.5%と半数以下でした。さらに設定したか分からないという回答も16.6%あったのです。
 フィルタリングサービスもしくは機能制限を設定していると回答した保護者に、その管理方法を聞いたところ「最初に設定を行ったきり特になにもしていない」が67.5%。一度設定したからと安心してしまう親が多いといえそうです。しかし、子どもたちは心身の成長が早く、時代とともにネットやアプリの流行も変わります。個々の成長に合わせて使える機能を増やしたりと、こまめに管理していくことをおすすめします。


子どものスマホの設定内容は?

 一方でスマートフォン(iPhone)の利用者本人である中学生に、自分のスマートフォンにどんな機能制限が設定されているか聞くと、「設定している」「たぶん設定している」という認識の回答は合わせて35.2%にとどまりました。子どもは親まかせ、親は設定したきりで安心している…そんな状況がうかがえます。
 この35.2%を対象に、制限されている内容に関して親と話し合っているかについて聞いたところ、「親と話したことはなく、制限内容を知らない」が最も多く41.1%となりました。その次に多かったのが「親と話したことがないが、制限内容を知っている」が26.6%で、制限内容に関しては家族とあまり話し合っていないようです。確かに日本の家庭では、幼少期こそ「危険な場所に入ってはダメ」と教えますが、中学生以降に身近な危険についてコミュニケーションを取ることは少ないかもしれません。


親子のコミュニケーションで安心の“スマホデビュー”

 調査結果を見る限りでは、子どもにスマートフォンを持たせるにあたり、親も子どももセキュリティ意識をもうすこし強く持つ必要がありそうです。まずはフィルタリングや機能制限の内容をチェックし、有効に利用できるように考えてみてください。
これは、ただ「機能を利用する」というだけではありません。「こういうリスクがあるからこの設定をする」「こんな理由があるから、ここの機能制限を解除してほしい」など、身の回りのリスクについて親子で話し合うコミュニケーションの機会にもなります。思春期の子どもたちに自分の責任を自覚させたり、自己管理をうながしたりと教育的にも意味があるのではないでしょうか。
 家族のルールづくりと、適切なフィルタリング、機能制限を組み合わせて、安心できる“スマホデビュー”と健やかな成長を目指していきましょう。マカフィーは今後もインターネットとユーザーの皆様の安心を守るため、率先してマルチデバイス保護やモバイルのセキュリティなどの対応を進めていきます。

著者:マカフィー株式会社 CMSB事業本部 コンシューママーケティング本部 
   執行役員 本部長 青木 大知

[レポート]クラウド環境の現状レポートと今後 ~クラウドの安全性の状況と実用的ガイダンス

 マカフィーでは、1,400人のIT担当者に年次アンケートを実施し、クラウド採用状況やセキュリティについて調査しました。
 調査の結果、クラウドの採用とリスク管理への投資を増やしている組織がある一方で、クラウドの採用に慎重なアプローチをしている組織が多いことがわかりました。
 本調査では、クラウドサービスの利用状況を分類し、短期投資の確認、変化速度の予測、重要なプライバシーおよびセキュリティ上の障害物への対応方法の概要を示しています。

 本レポートでは、クラウドの現状把握と今後の方向性、クラウド対応の課題やポイントを理解することができます。

<掲載内容>
■ 主要調査結果
■ 調査結果から言える方向性
■ 課題への対応
■ 変化への対応力
■ 考慮すべき点:安全なクラウドの採用で事業を加速