未成年によるClubhouseの利用と3つの安全対策

多くの人は、秘密のクラブハウスで友達と遊んだ夏の思い出があるでしょう。しかし、これからお話しするのは、そのクラブハウスではありません。クラブハウスというと友達同士の集まりを想像しますが、ここではユーザー同士(対象は18歳以上)が交流することを目的としてつくられた、Clubhouseというアプリについて解説します。今のところ、Clubhouseはベータ版で、招待制となっています。この特別感が、新しい友人との出会いを求めるティーンエイジャーにとって魅力的な要素にもなっています。


Clubhouseの使い方

Clubhouseは、ポッドキャストとグループ通話を足したような音声SNSアプリです。ユーザーが参加し、スピーカーとして参加する意思表示をすればミュートが解除され発言可能になります。さまざまな異なるテーマで「ルーム」を作り、会話に参加する人を招待します。

パンデミックの孤立しがちな中、楽しくつながることができる場として登場したアプリです。今なお、ママ友、ビジネス懇談会、スタッフミーティング、政治グループ、研究機関、また同じ趣味を持つ人たちが集まり、このアプリでつながっています。話題は多岐にわたり、常に会話が行われていて、クリックするだけでアクセスできます。

Clubhouse画像


年齢制限

現在、Clubhouseにはペアレンタルコントロールやプライバシー設定がありません。

18歳以上の年齢要件があると記載されていますが、実際の年齢を確認するシステムがありません。他の多くのアプリと同様、18歳未満のユーザーでも年齢を偽って招待通知を受け取り、進行中の会話に参加したり、自分のルームを始めることが可能です。


潜在的なリスク

・大人向けコンテンツ

Clubhouseでは、よくある話題からそうでもないものまで、幅広い話題が提供されています。未成年のユーザーがプロフィール情報と興味のあることを入力すると、毎日いくつかの会話へ自動的に招待されますが、ユーザーの年齢にふさわしい話題に招待されるとは限りません。また、さまざまなグループを検索して、参加することもできてしまいます。

・いじめ

Clubhouseでやりとりされている議論は、会話をその場で聞く、やりとりするという特性もありますが、無修正です。そのため、白熱した議論、偏ったコメント、いじめなどが行われる可能性もあります。

・誤報の可能性

混雑したショッピングモールを歩いていれば、ニュースやイベント、人のうわさなどあらゆる話題を耳にします。Clubhouseでも同じように、生の声や新しい話題が飛び交います。そのため、(他のアプリにも共通することですが)誤った情報がやり取りされる可能性があります。

・アカウントのロック不可

Clubhouseのプライバシーに関する懸念の一つに、アカウントをプライベート設定にできないという点があります。また、ホストがプライベートの設定にしない限り、ルーム/会話はデフォルトで公開に設定されていて誰でも参加できます。

・有名人と近づけるという誘惑

Clubhouseでは、有名人、ソーシャルメディアのインフルエンサーたちが自分のルームを作って会話をしています。リアルな会話を聞きたい、好きな芸能人に少しでも近づきたいという子供たちにとって大きな魅力です。このようなルームでやり取りされる話題は予測ができないため、未成年のユーザーにとって有害な会話が交わされる可能性もあります。


安全対策について話し合う

1.年齢制限が重要な理由

アプリの年齢制限を無視して参加した子供が、トラブルに巻き込まれるケースが増え続けています。このアプリに年齢制限が必要な理由、そのルールを無視した場合のリスク、また、子供が安心して使える代替になるアプリのことなど、お子さんと話し合いをしましょう。

2.プライバシーが重要な理由

短い期間で話題となったClubhouseですが、その一方でデータのプライバシーについて懸念する声もありました。レポートによるとClubhouseはユーザーに対し、アプリと連絡先を共有するよう求め、「過度にユーザーの情報を接続してレコメンデーションする」ことを非難されてきました。アプリがどのようにユーザーデータを収集し、それがどのように影響しているのか不透明です。先月、Clubhouseが収集したユーザー情報やコミュニケーションのセキュリティには悪用される可能性のある脆弱性があるということを、マカフィーの Advanced Threat Research Teamが指摘しました(すでに対応されています)。よく考えずに新しいアプリに飛びついてしまうことがありますが、使い始めるときには、引き換えに提供するデータについて、アプリが収集する情報について、また、さまざまなプライバシー設定の重要性についてよく考えましょう。Clubhouseのプライバシーポリシーには「一時的な音声記録」についての記載があります。

3.コンテンツが重要な理由

日々、多くの映像や情報が画面に流れてくるなかで、家族にとってコンテンツの良し悪しを瞬時に判断することは難しいことかもしれません。ネット上において年齢にふさわしい会話、話題、友人グループが重要である理由、また、そのことについて軽く捉えないように偽って利用した場合の影響について子供たちと話しましょう。コンテンツフィルターやペアレンタルコントロールの仕組みを子供たちに伝えて理解を促し、家族を守るために設定を検討しましょう。

懸念事項ばかりをお伝えしてしまいましたが、Clubhouseは、対策を取ろうとしています。良い知らせとして、急成長に伴い安全面に関する消費者からの要望に応え、ハラスメントや虐待を通報する機能などアプリ内の安全性を高める機能を日々追加しているという情報を発信しています。


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※本ページの内容は2021年3月31日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Is the Clubhouse App a Safe Place for Kids to Hangout?
著者:Toni Birdsong