バレンタインの警告:オンラインデート詐欺に気を付けて

ITには慣れ親しんでいるはずの私たちですが、オンラインで恋人探しをしてなりすましにあったり、騙されたりして傷つく人は実は驚くほど多いのです。当事者以外は「気がづかなかったなんて信じられない、そんな軽率でものを知らないなら騙されても仕方ないよね」というかもしれません

実際私は最近友人たちとオンラインデート詐欺について同じような会話をしたのですが、私は、そのとき、一人の友人、サラ(仮名)が会話に加わらずなんだかふさぎ込んでいることに気づきました。彼女は黙って一人静かにマルガリータを飲むばかりでした。後になって彼女は私に話を打ち明けてくれました。


愛の力

40代後半のシングルマザーのサラは、教養があり魅力的ですが、1年前、ティーンエイジの娘に促されてデートサイトに登録しました。3年前に離婚し、寂しさを感じていた彼女は良く知られているデートアプリでプロフィールを作成することに同意したのです。何回からデートに失敗した後に出会ったのがスコットでした。彼は魅力があり親切でした。「私たちはすぐに意気投合したの」とサラは言っていました。何時間も電話で話しているうちにお互いの秘密を打ち明け合い、やがて将来を共に過ごすことすら考え始めました。しかし、約3カ月後、スコットに苦難が降りかかったのです。最初は臨終間際の親戚の見舞いに行くため航空運賃が必要になり400ドルを貸してくれと言ってきました。これはすぐに返済したのですが、その後、数か月にわたり、家賃に1000ドル、事業に3000ドルと借用金が増えていきました。

サラが彼に貸した金額はあっというまに8500ドルを超えました。彼女がお金の返済を迫ると、スコットはサラをオンライン無視、引っ越して、それ以来彼を見かけることはなくなったのです。彼女はこの経験をあまり人には話していません。通報もしませんでした。彼女が「スコット詐欺」と呼ぶこの一件があまりに恥ずかしくて屈辱的で滅入ってしまったのです。こうして彼女は他人や愛そのものが信じられなくなってしまいました。

サラの話を絶望的なほど愚かな人々や孤独な熟年女性の話だと考えるべきではありません。詐欺師は愛を信じ、お付き合いを大切にしている善良な人々を狙っています。オンラインで恋人を探すのは、十代だけでなく、大人にも広がっています。


信頼を悪用

法執行機関はこの手のオンライン恋愛詐欺を「信頼を悪用する詐欺(Confidence Fraud)」と呼びます。被害者の信用と信頼を得るのにかなりの時間をかけて実行されるためです。優しく、親切な姿勢を装いながら、詐欺行為に使うための個人情報を時間をかけて集めるのです。

米連邦捜査局(FBI)によると、報道や警告にもかかわらず、過去1年間でこの手の詐欺は20%急増しています。特に今の時期には多くなっています。

FBIのインターネット犯罪苦情申し立てセンター(IC3)は、金融オンライン犯罪中、恋愛詐欺が他を抑えて最も多いと報告しています。2016年のIC3への恋愛詐欺の通報件数は約15000件(前年比約2500件増)で、被害額は23000万ドルを超えました。


安全なオンラインデートのためのヒント

決して送金しない

交際相手であっても、フィッシングメールであっても、どんなにかわいそうな話でも、オンラインでお金を送ってはいけません。もし送金するのであれば、一方の当事者が債務不履行の場合に法的に強制力のある融資契約を結んでください。

疑わしい行動を察知 

会おうと約束しながら相手がキャンセルを続けた場合、または彼または彼女がビデオチャットを拒否した場合は要注意です。テクノロジーを利用すれば世界中のどこのだれでも詐欺をはたらけるのです。

慎重な行動を

相手が親密な関係になるのを急いでいたり、愛してるとすぐに告白して将来のことを語るようなら、一呼吸おいて状況を見つめなおしてください。

身元調査をする

愛の強い力は、正しい現実認識を簡単に曇らせてしまいます。デートサイトに登録するのなら、同じくらい勇気をふり絞って相手の身元調査もするようにしてください。

探偵になったつもりで

オンラインで出会った人についての事実関係を調査することを恐れないでください。相手の名前を検索したり、Googleのリバースイメージサーチに相手の写真をドロップしたりするなどの簡単な手順によって、相手のことをよく知ることができます。信じてください:そう、正しい人たちはいるものです。ただし、疑わしい点がある場合は、手遅れにならないうちにそれを突き詰めることです。やるべきことの1つは、共通の友人を見つけ出し、オンラインで話している相手についての情報を集めることです。

ソーシャルプロフィールを非公開に

オンラインで出会った人とデートするときは、あらかじめ自分のオンライン履歴を編集するよう専門家は推奨しています。InstagramTwitterFacebookを非公開にすると、潜在的な危険から自分を守ることができます。

公表されると困る写真は送信しない

将来、ゆすりを働くつもりでまず被害者の信頼を得ようとする詐欺師もいます。「きわどい」写真などは、”家族、友人、または仕事仲間に送り付ける”などと脅されることも考えられます。これを避けるための最善の方法は、決して、誰にも、きわどい写真を送信しないことです。

あなた自身を検索し、情報を制限する

自宅の住所や電話番号を知らせるパンくずリストが拡散されていないか、自分自身を検索して確認してください。もし見つけた場合は可能であれば、その情報を削除または修正してください。同様に、あなたのソーシャルアカウントを調べて、あなたが過去に共有した個人情報を削除してください。オンラインでデートする人にとってデジタルストーカーのリスクはつきものです。デートアプリのGPSをオフにして、プロフィール情報を曖昧にすることを心がけてください。たとえあなたが快適に他人とオンラインで通じていても、ハッカーによって容易に悪用されるプライバシーの抜け穴がアプリにはあるため、アプリの利用においては快適さを優先しすぎないよう、注意しましょう。

十分な予防策を講じる

安全なデートのために少なくとも1人の友人に、あなたがどこへ行き、だれと一緒にいるか、そして会っている相手の身元について知らせてください。その人にデートの間にあなたに連絡を入れるようにしてもらい、護身用の催涙スプレーやスタンガンを持って行ってください。さらに、Friend Finderまたはロケーションアプリを使えば、その友人がデート中のあなたの居場所を追跡できます。

※本ページの内容は、201929日(US時間)更新の以下のMcAfee Blogの内容です。
原文:Valentine’s Alert: Don’t Let Scammers Break Your Heart or Your Bank Account
著者:Toni Birdsong