ウイルス対策ソフトの購入でお迷いですか?
ウイルス対策ソフトは有料版から無料版まで様々な種類があり、比較サイトなどでも評価は様々です。
何を基準に購入すればいいのか迷うことも多いのではないでしょうか。
ここではウイルス対策ソフトを選ぶ際のガイドとして確認しておきたい6つの視点と比較表などでよく見かける検知率や動作速度について解説します。
目次
1. どのようなウイルス対策ソフトがあるのか
ウイルス対策ソフトは、パソコンやスマートフォンなどに導入することで、ウイルスなどの不正プログラムの侵入や動作を検知し、駆除するソフトウェアです。最近では、IoTシステムに対応するものも登場しています。
以前は、端末の対策をするアンチウイルスソフトや不正な通信をブロックするファイアウォールの機能などが個別になっていましたが、現在はウイルス対策・ファイアウォール・フィッシング対策などセキュリティ対策に必要な複数の機能が統合された総合セキュリティソフトが提供されています。
近年のサイバー攻撃は高度化していますので、端末を安全に使うには、インターネットの脅威に対して全般的に対策ができる総合セキュリティソフトをお勧めします。
以下に代表的な総合セキュリティソフト製品を記載します。何を重視するか、どのように利用予定か(家族で複数台に導入したい等)によって何が最適な選択なのかも変わってきます。下記で解説する内容も参照してまずは対象製品を絞り込み、体験版を試してみましょう。
下記に掲載している製品はいずれも30日間の体験版の使用が可能です。
製品 | 特長 | 製品詳細 |
マカフィーリブセーフ | 台数無制限で家族で使える | 公式サイト |
ノートンセキュリティ | 1年1台での購入が安い | 公式サイト |
ESETセキュリティ | 他社に比べて3年版が安い | 公式サイト |
ウイルスバスター | 日本でのシェアが高い | 公式サイト |
ZEROスーパーセキュリティ | 更新料が無料 | 公式サイト |
カスペルスキーセキュリティ | プレミアムライセンスであれば台数無制限 | 公式サイト |
2. ウイルス対策ソフトの選び方
専門用語を使った詳細な解説や性能比較などをしているサイトもあったり、宣伝文句に目が行きがちですが、まずは自分の利用環境を明確にすることから始めましょう。
具体的には、以下のような視点からもっとも条件の近いものに絞り込んで、体験版で試してみることをお勧めします。
それではそれぞれ詳細を見ていきます。
2-1 インストールする端末台数を決める
一人で1台のパソコンに使う、手持ちのタブレットなどにも使う、家族で複数台使う、など導入する端末の台数を決めましょう。通常、使用台数が多くなると1台あたりの導入単価は下がっていきます。
2-2 OSの対応状況を確認する
かつではWindowsやMac向けのものが主流でしたが、スマートフォン用にAndroid対応などもあります。端末のOSに対応したものを選択する必要があります。また、OSのバージョンも対応状況を確認しましょう。
2-3 ライセンス形態を確認する
ライセンス形態については更新期間、インストール可能台数を確認しましょう。
通常、セキュリティソフトは契約期間が決まっており、契約終了後はサポート対象外になります。期間が長い方が1年当たりの単価が低くなりお得ですが、使用していて気に入らない部分があっても期間満了まで使用しないとかえって損をしてしまいます。
また、3台・5台など複数の端末にインストールできる契約形態のものあります。
2-4 サポートを確認する
使い方が分からないときや困ったことがあったときのサポートです。有料版のソフトはたいていサポートがついていますが、無料のものなどはサポートがないケースもあります。また、サポートがあっても日本語に対応していないなど、対応が限定的なこともあります。
対応時間や電話・メール・チャットでの対応などサポートの内容・コンタクト方法も確認しておきましょう。
2-5 インストール媒体を決める
ディスクを使ってインストールするパッケージ版、WEB経由でインストールするダウンロード版があります。
ダウンロード版は店頭に行かなくてもオンライン上で購入してすぐにダウンロードすることができます。光学ディスクドライブを搭載していないパソコンやタブレットにもインストール可能です。価格はディスクがない分パッケージ版よりも安く設定されていることが多いですが、店頭によってはそうでないケースもあるので購入前に確認が必要です。
インストールしたい端末にディスクドライブがない、パッケージやインストールディスクが不要、あるいは店頭に買いに行く時間もなくすぐに導入したいという場合はダウンロード版がお勧めです。
2-6 無料版、複数年版、更新不要版の選び方
2-6-1 無料版
ウイルス対策ソフト選びで、最も大きな判断要素になるのが価格ではないでしょうか。特に、無料のウイルス対策ソフトには魅力を感じます。1万円を超えるものもあるのに、なぜ無料で提供できるのでしょう。
それは主に、広告とサポートの違いです。広告が表示されるソフトは、広告主から収入を得ることで無料提供を実現しています。そのため、使用しているときに何回も広告が表示されます。これを邪魔と考えるか、無料のためだからと考えるかで判断が変わるでしょう。
サポートの違いでは、無料のウイルス対策ソフトではサポートが提供されていないのが一般的です。サポートに必要な人材やシステムを用意しないことで費用を浮かし、無料での提供を実現しています。そのため、サポートが提供されていない場合は通常、不具合が発生したとしても自分で解決しなければなりません。
2-6-2 複数年版
ウイルス対策ソフトには1年版のほか3年版、5年版が用意されているものもあります。年数が長いほど、1年あたりの価格は安くなりますが、使用しているうちに気に入らない部分が出てきても、期限まで使用しないと損をしてしまいます。最近では、同じ家に住む家族であれば台数無制限というものも登場しています。
家族など複数の人、あるいは複数台で使用する場合には、使用年数を振り分けられるサービスは魅力です。パソコンを複数台持っていて、あまり使わないパソコンに導入する場合には、複数年版のメリットを最大限に受けられることは確かです。
2-6-3 更新不要版
例えば1年版を購入した場合、毎年ライセンスの更新が必要ですが、更新不要版であれば更新が不要になります。更新を忘れてバージョンアップされていない製品を使っていては意味がありませんので、うっかり更新を忘れてしまうことがない点もメリットと言えます。一方で、初期導入コストが割高なケースもあり長く使わないと元をとれないこともあります。
3. まずは体験版を試してみる
ウイルス対策ソフトの候補が絞れてきたら、まずは体験版を試してみることも有効な方法です。体験版は、製品のすべての機能を無料で使用できますが、30日間など期限が決められています。この期間を超えて使用するには、購入の手続きをしなければなりません。
体験版を使用することで、実際の使い勝手を試すことができます。どんなに性能が良くてもパソコンの動作が重くなっては本末転倒ですし、作業中に突然確認画面が表示されるようでは、作業の中断を余儀なくされてしまいます。また、ウイルスを検知したときの表示や、詳細情報の確認などもチェックしましょう。
ほとんどのウイルス対策ソフトには、ブラウザで開ける管理画面が用意されています。ここでどのような設定ができるのか、簡易スキャンやフルスキャンのスケジュールを細かく設定できるかなども確認できます。可能であれば、候補を3製品ほどに絞り、1カ月ずつ体験版を使用してみることで、納得のいく製品を選ぶことができるでしょう。
4. よく見かける性能比較は何を見ているのか?
ウイルス対策ソフトは多くのメーカーから提供されており、高価な製品から無料のものまでさまざまです。ウイルス対策ソフトを選ぶために、機能ごとに「○」や「×」をつけた比較表をよく目にします。
しかし、ウイルス対策ソフトの場合は機能の名前が同じでも使用している技術は製品ごとに異なることがあります。また、ひとつの機能が複数の機能をカバーしている製品もあります。このため、比較表だけで判断することはあまりお勧めしません。
ここではよく目にする「検知率」「動作速度」について解説をします。
4-1 検知率
ウイルス対策ソフトの宣伝文句でよく目にするのは、「検知率No.1」といった表示です。これは、第三者機関が実施しているテストの結果をアピールするものとなっています。テストを実施している第三者機関は複数ありますが、そのテスト内容はそれぞれ異なります。
以前は、テスト用のパソコンにウイルス対策ソフトをインストールし、そこに約100種類のウイルスを送り、いくつ検知できるかをテストしていました。
しかし、使用するウイルスの種類をあらかじめ知ることができたり、インターネットにつながっていない閉鎖環境のため、メーカーにとっては検知率を上げやすいという面もありました。
最近では、インターネットに接続した、よりユーザーの環境に近い状態でテストを行うケースも増えていますが、それでもテストのためにウイルスが用意されます。つまり、ほとんどが「既知のウイルス」なのです。
中には、テスト当日の朝に採取したウイルスを使用するなど、新種のウイルスが含まれる可能性の大きいものもあり、それぞれのテストでサンプルが異なります。いずれにしても検知率で判断する場合には、テスト環境をよく確認しましょう。
4-2 動作速度
ウイルス対策ソフトは、パソコンを安全に使えるようにするためのものですが、その機能がパソコンの動作に影響を与えてしまうようでは困ります。
パソコンと外付けハードディスクなどの周辺機器全てに対してウイルスチェックを行う「フルスキャン」は、ある程度の負荷がかかる作業なので仕方がない部分もありますが、フルスキャンはその開始時間や頻度を設定できるので、パソコンをあまり使わない時間に行えば済みます。
しかし、起動時の定義ファイルダウンロードやアップデートなどに時間がかかったり、メールを受信するたびにウイルスチェックで動作が重くなったりするようでは作業の邪魔になってしまいます。実際に使ってみないと分からない部分もありますが、動作環境をチェックすることで予測は立てられます。
例えば、古いパソコンでも動作するのであれば、CPUパワーをあまり使わないと考えられますし、使用メモリが少なければ、パソコンの動作速度への影響も少ないと考えられます。
5. ウイルス対策ソフトの必要性
ここでは改めてウイルス対策ソフトがなぜ必要なのか、ウイルスの活動の特徴とともに解説します。
5-1 様々な活動をするウイルス
ウイルスの多くは、メール添付ファイルとしてパソコンに入ってきます。このようなウイルスメールは、以前は英語のメールであったり、文字化けしたりしていて、ユーザーが気づきやすいものでした。
それが最近では日本語のメールが多くなり、内容も「宅配便の再配達」や「ショッピングサイトの購入確認」など、うっかり開いてしまうようなものが増えています。
多くのウイルスは基本的に、ユーザーがファイルを開かない限り実行されません。しかし、前述のようにうっかりファイルを開いてしまうこともあります。それに、ウイルスは巧妙化、複雑化が進んでいます。例えば、ファイルを開いても普通に中身が表示されますが、その裏でウイルスが感染活動を始めるものが多くなっています。また、一度ウイルスが実行されてしまうと、次々にウイルスをダウンロードし実行していくものもあります。
関連記事ウイルスの種類も、パソコンに常駐して情報を盗み出すものや、ランサムウェアのようにファイルを暗号化して“身代金”を要求するものもあります。また、アドレス帳にある連絡先にウイルスメールを送信するものや、感染したパソコンを踏み台にして別のサイバー攻撃に利用するものもあり、被害者のはずのユーザーが加害者になってしまうケースもあります。
5-2 ソフトによる自動的な駆除が必要
このようなウイルスを、専門知識を持たない一般のユーザーが見つけることは非常に難しいといえます。ましてやトロイの木馬のようなパソコン内部でこっそり動作するウイルスに気づくことはほぼ不可能でしょう。
ウイルス対策ソフトを導入することで、これらを自動的に検知して駆除してくれるので、ウイルス感染の不安を意識することなくパソコンを使うことができます。ウイルスによる被害を未然に食い止めるためにも、ウイルス対策ソフトは必須のものといえます。
6. 最後に、ユーザーのセキュリティ意識も重要
どのようなウイルス対策ソフトであっても、ウイルスを100%の万全な対策ができるわけではありません。これはすべてのウイルス対策ソフトにいえることです。端末の保護を万全にしても、それを使うのは人間ですから、ユーザーのセキュリティ意識は大切です。
ウイルス対策ソフトを導入したからといって過信せず、怪しいメールを冷静に見極めたり、メールやSNSのメッセージにあるURLリンクを安易にクリックしないといった注意が普段から必要です。
パソコンやスマートフォンは、生活を便利にしてくれます。しかし、同時にサイバー犯罪者にも狙われています。攻撃を受けてしまうと、場合によっては金銭被害を受けたり、社会的信用を失ったり、加害者になってしまう可能性もあります。
サイバー攻撃から生活を守るためにも、ウイルス対策ソフトはなくてはならない対策といえます。自分に合ったウイルス対策ソフトを導入するとともに、常に狙われていることを意識して、慎重な行動を心がけましょう。
マカフィー株式会社 マーケティング本部